fbpx

Column Category :

料理と酒を楽しむコツ(その1)

料理と酒を楽しむコツ(その1)

今回は、「味わう立場」でお酒との付き合い方を見ていこうと思います。

筆者が若い頃、料理と酒のマリアージュなんて気に留めたことはありません。年を経て、マリアージュという言葉を知っても、「美味しい料理」と「美味しい酒」を合せれば、マリアージュになるのでは? ていどに、軽く思っていました。

しかし… 実際は違います。
それぞれが「美味しい料理」と「美味しい酒」であっても、組み合わせると「美味しくない」場合があると知ったのです。そして、自分で稼いだお金を使って、美味しい情報を収集し酒と料理を楽しむならば、それらの「努力に見合う味」であることを期待します。
食通になろうとは思ったわけではありません。しかしお金を使って、頑張って美味しい料理と酒に向かったら、やはりより美味しく味わいたいのが人情です。そしてまた、美味しい酒・料理に出会う為に、仕事を頑張ったりもするわけです。

そうして経験を重ねるうち、「五味調和(マリアージュ)」させるコツみたいなものを、体得していきました。筆者なりに得た、そのコツを説明します。
…ただし、いかんせん素人の経験談です(^^;)。その点は、ご了承ください。

食中酒

料理に合わせる酒(イメージ)

最初は、食中酒について。
料理と共に味わい、さらに料理の味わいを引き立てたり、新しい味覚を引き出す酒のことを ”食中酒” と言います。日本酒、焼酎、ビール、ワインは、いずれも食中に飲まれることがあります。

「日本酒と合わせやすい料理は?」と問われれば、まず「刺身」が思いつきます。この他にも和食を思い浮かべますが、それだけでは楽しさに広がりがありません。
例えばステーキ肉に合うような日本酒ってないのでしょうか?
最近は様々な蔵元さんが料理とのマッチングを研究してくいるので、きっとステーキに合う日本酒をどこかで造ってくれていると思います。酒好きとしては、自分でもどんどん試していきたいところです。
タマに「日本酒はなんにでも合うよ」と安易に勧める方には文句を言いたいですね …筆者の個人的意見ですが(笑)

赤ワインとステーキ

赤ワインとステーキ(イメージ)

日本酒について考える前に、良い相性知られている赤ワインとステーキを考えてみます。

ステーキを食べた時の口中を想像してみると、舌は油にまみれで肉が残っています。
そこに赤ワインが入ってきて強烈な酸とポリフェノールにより、油と動物性蛋白質を即座に洗い流してくれるでしょう。
その瞬間、油によって鈍化した味覚がリセットされるのです(きき酒師さんに聞くとウォッシュ効果だと教えてくれました)。
それと同時に、ワイン自体の香味がステーキとは違った方向性の「美味しい」を提供してくれます。すると脳が学習済みのステーキの美味さをまた味わいたいと信号を発します。

ワインにより綺麗になった舌は、最初に味わったステーキと同じ「美味しい」経験を脳に伝達してくれます。以後はこの繰り返しで、満腹になるまで同じ美味しさを堪能し、ワインの美味しさも味わうことができます。

ざっくり端折りましたが、赤ワインがステーキと相性が良いとされるメカニズムはこんな所です。

赤ワインと刺身

次に赤ワインと刺身です。ステーキとは反対に、あまり合わない相性で知られています。

刺身を食べた後は、舌に魚肉と醤油が残っています。
そこに赤ワインが入ってきて強烈な酸とポリフェノールで味覚が占領されます。すると、もう一度口中に刺身を入れても、ステーキよりも断然サッパリとした刺身と醤油では、赤ワインの強さに勝てません。
当然、舌はステーキの時とは異なり「美味しい」を脳に伝達してくれず、残念な経験となります。

以降、何度繰り返しても刺身の美味さを感じることが難しく、そのまま食事を終えてしまうことになります。これでは、赤ワインだけ飲んでいるのと変わりないでしょう。
これが、赤ワインと和食がミスマッチとなるメカニズムです。

ビールと料理

もう一つ。ビールとステーキ or 刺身はどうでしょうか?
筆者の意見としては、ビールのウォッシュ効果はほぼパーフェクトだと思っています。おそらくあらゆる料理に対してその効果を発揮し、口中がビールの炭酸とホップによりサッパリします。
ビールの苦みが料理の味わいを引き立て、かつ、ビールそのものの味わいも愉しめます。しかし、料理とビールが混ざり合い、ワインや日本酒のような良い相性にまでは到達していないと思います。

ビールは日本酒やワインと比較して、どちらかと言えば清涼飲料水に近い酒だと思います。
特に日本では、アルコールとしての味わいよりもスッキリ爽やかな「喉越し」が重要視されている気がします。夏場の暑い時期にゴクゴクと飲めるビールがたくさん売れるのもそのせいでしょう。

長くなってきましたので、本題(日本酒との合わせ方)については、次にしましょう。